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【台湾商標法】2022年の台湾における重要な商標イベントのレビュー

2022-12-28 商標グループ 王竹平


  2022年は、日常生活においてコロナ禍の影響を受けた厳しい一年となりました。しかしながら、台湾の商標法の制度は、依然として前に向って邁進し続けております。2021年の「誤認混同のおそれに関する審査基準」の改正後、経済部知的財産局の商標実務は、2022年にも変動がありました。主な事項は以下の通りです。
 
  • 経済部知的財産のウェブサイトに「ゼロエミッション関連証明標章情報の特別コーナー」を設置
    経済部知的財産局は、国際的な炭素排出量を削減する趨勢に対応して、環境と共存する永続的な目標を達成するために、公式ウェブサイトに「ゼロエミッション関連証明標章情報の特別コーナー」を設けました。これにより、消費者は、例えば、標章名称、登録番号を通じてそれぞれ特別コーナーにおける標章の公式サイト及びその使用標章の出願情報にリンクすることにより、消費時に環境保護、炭素の削減、省エネを表彰した標章が付された商品を選択することができます。また、業界関係者も当該特別コーナーを利用して原料の特性、製造過程又は使用するエネルギー等の項目を利用して、証明標章に対応する認証を探すことができます
  • 「産業商標登録出願指定商品・役務戦略マニュアル」において「グリーン産業」を新たに追加
    2021年に経済部知的財産局は、「産業商標登録出願指定商品・役務戦略マニュアル」を発行しており、当該マニュアルによって、業界関係者が商標登録出願をするとき、指定商品/役務の正確な選択方法を理解できるようになることを期待しています。今年は、2050年のネットゼロエミッションの政策に合わせるために、「産業商標登録出願指定商品・役務戦略マニュアル」に「グリーン産業」の章節を新たに追加し、「グリーンエネルギー」、「クリーンエネルギー輸送」、「炭素排出権、炭素排出権経済及び関連する電気エネルギー商業取引」、「汚染処理及び再生利用」、「グリーンビルディングからゼロ・カーボン・ビルディング」、「グリーン産業関連認証標章、認証カウンセリング及び教育訓練」等の六項目の領域に分けられているので、関連業界関係者は、自ら所属の分野に基いて出願時に使用する指定商品/役務の類別及びその名称を参照にすることができます。
  • 改正された「商標識別性審査基準」は2022年9月1日から運用開始
    改正される前の「商標識別性審査基準」は、2012年の改正及び運用開始がされ、今に至るまで10年の時日が経過しています。しかし、商標は、時代や社会的民情の変化に伴い、今日の商標の形態も従来の平面商標からより多様な形態へと発展しています。そこで、社会的な影響を受け、消費者の商標への認知及び考えも既に変化が生じているので、審査の尺度をより明確にする共に、新たな態様の標章について識別性の審査にも対応する基準を設けるべく、経済部知的財産局は、当該審査基準について改正を行うと共に、前回の改正から今回の改正との間の実務の事例を加えることで、各類型の商標の識別性に関する審査の原則を強化しました。
  • 改正された「証明標章、団体標章及び団体商標の審査基準」は、2022101日から運用開始
    証明標章、団体標章及び団体商標は、性質が特殊なため、商標登録出願時に手続的事項及び登録審査の要件は、通常の商標と異なります。そこで、今回の改正は、実務において疑義が発生した部分に対して内容及び事例について追加修正を加えています。
  • 「商品及び役務の国際(ニース)分類の改正版(ニース第12-2023)」の公告
    世界知的所有権機関(WIPO)は、通常5年に1度新たなバージョンを更新していましたが、2013年からは毎年新たなバージョンを公布しています。今年、WIPOはニース協定の商品及び役務の国際分類について改定すると共に、2023年から第12版に改定します。また、経済部知的財産局は、第12版ニース分類に基づき台湾の「商標登録出願の指定商品/役務の名称及び検索参考資料」における商品/役務の名称を改定し、変動内容について2023年1月1日から実施することとしました。
  • 「国内外商標マッピング戦略の指南」の公布
    グローバルビジネスの競争は、実際の取引市場の趨勢であり、また商標が、商品/役務の出所を表すものであり、化体された業務上の信用である企業の重要な資産である以上、商標を如何にマッピングするかは、業界関係者にとって、重要な課題であります。経済部知的財産局は、業界関係者が国外の商標マッピングの注意すべき事項について容易に理解できるようにするために、わかりやすい文章と図で企業が国内外で行う商標マッピングの戦略について紹介することで、業界関係者がより効果的かつ完全に自身の商標に係る権益を保護できるようにしました。
  • 20231月からの商標登録証の電子化申請の開放に伴い、関連する商標申請書及びその申請上の注意事項の更新
    省エネ炭素の削減という永続的な発展目標を推進し、紙ベースでの印刷及び郵送コストを減少させるために、経済部知的財産局は、商標登録証の電子化サービスを推進する予定があり、2023年1月には電子商標登録証の申請を開放します。このとき、商標登録出願人は、商標登録査定の謄本を受領した後2ヶ月の登録料の納付期間内に、紙の登録証又は電子登録証のいずれか一つを選択することができます。電子商標登録証と紙の商標登録証を取得するために納付する登録料は同じです。
  2023年も同様に、台湾の商標には、依然として他の改革があると想定されていることから、弊所も実務の変化を注視しながら、より多くの、そして最新の情報を皆様にお伝えしていきたいと思います。